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自分の影が濃くなった日 -突然やってきた心の病-

絶対話そうと思ったのに、今日も伝えられなかった…

この言葉を毎日繰り返してる私。仕事を辞めることしか、考えられない毎日。自分の夢だった映画に携わる仕事ができれば幸せになれると思っていたのに。

今はただただ、ここから逃げ出したい。交通事故にあわないかな、もしくは天変地異が起きないかな、なんてひどいことを毎日考えてしまう。振り返ると、すでにその頃にはうつ状態だったのだと思う。

きらびやかな人生がスタートしたと思っていた時期

私は8年も務めていた、外資アパレルをやめて32歳を目の前に、やり残していた夢を叶えようと映画界に飛び込んだ。仕事をしながら、夜は専門学校に通い、コースが終わる時には学校に紹介していただいた会社に就職がとんとん拍子に決まった。

とても嬉しかった。流れがいい!こんなにすんなり決まるなんて!やっと私がやりたいことができる!!

今振り返ってみると、とんとん拍子といいつつ面接から少し不思議な感じがあった。

社長はとてつもなく強烈で(笑)、はじめて面接で会った時から怒られる始末。怒られたから、雇われないかと思ってたら「で、いつから来れるの?」と。今まで出会ったことないような人種だった社長に心惹かれ、また話している内容は腑に落ちるものだったので、決心し入社するも。想像を有に超えるほど、精神的にも体力的にもとんでもなくキツイ日々が待っていた。

ひとかどの人になるためには、人一倍の努力が必要だと思い、深夜まで必死に働く日々。電話が大嫌いなのに、電話をかけまくり、そして各メディアを駆け回り名刺を配りまくる。

でも、映画の作品紹介(露出)が決まらないと帰れない。仕事内容だけならまだしも、人間関係もしんどかった。ただでさえ人数が少ない会社なのに、ライバル視バリバリで口もきかない同僚。逆に優しくて仲良くしたいと思ってた人はすぐに辞めていた。

涙が止まらない休日

入社後三ヶ月経った、ある日曜。母と買い物帰りに新宿三丁目のルノアールに寄った。週末が終わってほしくなさ過ぎて、コーヒーを飲んでいた時に涙が止まらなくなった。

泣く前から、母は私が元気がないことはわかっていた。でもあえて、理由は聞かず寄り添ってくれていた。泣いてる私を見て、怒っているような困惑顔になった母。私が帰ってすぐに食べれるようにと、お弁当を買って渡してくれた。帰り道、涙を見せたことで母を心配させてしまった自分が情けなかった。また涙が出てきた。

すでにあの時、心が悲鳴を上げた。でも自分の夢が叶ったんだから、もっと頑張らなければと奮い立たせてなんとか仕事に行っていた。

それから1年半たって、ようやく仕事は自分なりにできるようになってきた。でも人がどんどん辞めく環境で心許せる同僚もおらず、ストレスやプレッシャーはうまく処理できるところか。もっと心が疲弊し、できるだけ感じないように心を麻痺させる技だけがうまくなっていた。

初めてのパニック発作…救急車呼ばなきゃ

真夏の夜、それは突然やってきた。

その日も深夜に帰ったにも関わらず、寝れなくてコンビニで買ってきたお酒たちを飲み深酒した。

夜中腹痛で起きて、何度もトイレにいく。そして、なんだか息がしずらい、、、段々心拍数も上がって、息苦しさを感じる。なにこれ、怖い…。収まったと思っても、また始まる。ぜいぜいと息がきれて、意識が遠のくような感じでフラフラしてきた。深夜3時、一時間様子を見ても苦しい。

迷いに迷って「#7119」に電話。この電話番号は、救急車を呼ぶか迷ったら相談できるセンターだ。

こんな状態でも、ほんと自分の性格が良く表れてる。苦しいけど、もし大したことなかったら迷惑だと考えていた。

相談すると、電話口の優しいが強めの声で「症状が治らないなら、救急車を手配してもよいかと思います。」と。そして意を決して、救急車に電話した。

救急隊がきたら安心したが、救急車に乗ってる時も気分が悪い。どうなってるの、私の体…。

病院についたら、のっそりと当直の30代前半ぐらいの先生が寝不足の浮腫んだ顔にボサボサの髪型で出てきた。

心電図や意識障害状況を見て、気だるそうにぼそりと。

「特に心臓には異常ないので、大丈夫かと。お姉さんみたいな人、よくいるんだよね。一応頓服出しとくから、発作が良くならなかったら飲んでください。」

え?それだけ?

あんなに気分悪くて、しかも息苦しかったのに?

あれ?今は大丈夫だ、、、なんで?なんで?

誰もいない待合室でお金を払って病院を出ると、白々と夜が明け始めていた。

5時になったばかりなのにすでに暑い。じっとりと汗が出てくる。朝日がまぶしすぎて、自分の影が濃く重く感じた。

寝不足も相まってしょぼしょぼになった目で、Googleマップで帰路を検索。家まで徒歩30分か。 Tシャツ短パンにサンダルの恰好でとぼとぼと歩き出す。歩いてる間、ぼんやりした頭は今日の仕事のスケジュールを考え始めていた。「12時にはTV局行かなきゃだから、10時半には資料準備して…

私の脳みそは、救急車で運ばれたことをなかったことにしようとしているようだ。でも体は正直で、そう簡単にはなかったことにはしてくれなかった。それからというもの、私はその症状に長期間悩まされることになる。

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